社員満足度とエンゲージメント(忠誠心)の関係 組織力強化とは

人事・キャリア

組織力を強化するためには社員満足度を向上させ、エンゲージメント(忠誠心)を高めることが大事です。組織力には3つのポイントがあります。

一つ目は、人には得意分野とそうでない部分があります。欠点を補いあって、得意分野をお互いに活用すれば人数以上の組織力が発揮できます。

二つ目は、集中処理による効率化です。一人の人材があらゆることをこなすよりも、標準化されたプロセスを集中的に処理した方が正確で生産性が高くなります。

三つめは、組織を構成する多様な人材が、同じ方向にむかって積み上げていくために、社員のエンゲージメント(忠誠心)と、リーダーシップが相乗効果によって昇華されることです。本投稿では、これらの組織力の原点について迫ります。

社員満足度とエンゲージメント 筆者作成

エンゲージメント(社員の忠誠心)

改めて、エンゲージメントが注目されています。エンゲージメントは忠誠心と訳されます。人口構造の変化によって、多様な働き方を受容することが社会要請になっています。

一方で、人材を中長期的に育成して、企業の強みの源泉にしていく必要性も増しています。働き方の選択肢が多様になる中で、エンゲージメント(忠誠心)を高めていかなければ、組織の崩壊を招くリスクが顕在化しています。

エンゲージメントに似た言葉として、社員満足度があります。両者は密接です。社員満足度を向上させることによって、社員エンゲージメントが高まる因果関係にあります。

社員エンゲージメントは、経営理念や創業の精神、クレドなどで語られる経営の目的とは共感関係にあります。経営の目的に共感できると社員エンゲージメントが高まります。

一方では社員のエンゲージメントが、経営の目的に影響を及ぼす相関関係にあります。社員のエンゲージメントのパワーが経営の目的をさらにブラッシュアップさせます。

経営の目的と社員個人の使命や価値観は相乗効果にあります。経営の目的と従業員の使命、価値観が共鳴を起こすときに、経営と従業員が力を合わせて、同じ船に乗って同じ方向に力強く航海できるのです。

経営の目的と従業員の思いの調和がとれ、マネジメントの仕組みがうまく機能すると、適切な人事処遇が行われ社員満足度が向上します。

社員満足度の結果としての社員エンゲージメントは、モチベーション向上につながります。モチベーションが社員の成長につながり顧客満足度が向上します。

顧客満足度が業績につながる仕組みについては、下記投稿もご参考ください。

理想の会社へ、従業員満足度を高め、会社と一緒に成長しよう! | トップ営業による課題解決(中小企業診断士の観点から)
理想の会社とは経営者や社員が一体となって作るものです。本投稿では、従業員満足度と成長が会社業績につながる理想の会社について、経営者、マネージャー、社員の姿勢について記載します。

集中処理による効率化

組織役割分担の中で、生産性向上と組織の目的に密接なのが、集中処理による効率化です。同様の業務は、習熟による集中処理を行うことで、効率的でかつ正確に行えます。集中処理による効率化を追求した組織が機能別組織です。

機能別組織:筆者作成

機能別組織は、規模が大きくなると経営の負担が大きくなる問題点があります。また、スペシャリストは育つが、人事交流が停滞すると、組織の壁ができ部門横断的な経営アクションがとりにくいといった問題点も指摘されています。

この問題点を解決する方法の一つが、目的別の組織です。目的別に組織を柔軟に変更する仕組みです。組織の範囲として、正社員以外の外部パートナーも参画できる形をとることもあります。

問題点としては、求心力が弱まると組織が崩壊するリスクがありますが、このリスクを回避するのが、社員エンゲージメントと、リーダーシップです。

目的別組織

リーダーシップ・統率力

次に、経営トップと、マネジメントサイドから見た組織力の切り口を見ます。経営の目的と社員エンゲージメントが調和がとれている場合においては、組織のすべての階層において、リーダーシップが発揮され、組織は活性化しています。リーダーシップについては、下記投稿もご参考ください。

組織を成功に導くリーダーシップとファシリテーション
組織をけん引するリーダーシップと、組織を活性化するファシリテーション力を駆使して、組織の成果を上げる方法について記載します。

いいかえると、経営トップの重要なミッションは、経営の目的と社員エンゲージメントを調和させることとなります。そのための方法論は以下の通りです。

経営トップの発信力

法人の代表者である、経営トップは言うまでもなく権限と責任を、法的にも実質的にも担います。業務執行については従業員に任せても、象徴としての役割は経営トップにあります。発言は法人を代表することになります。発信の場面は次の通りです。

経営の目的を、経営理念、創業の精神、クレドといった形にしてをホームページに掲載する、朝礼で唱和する、経営幹部を通じて社員へ伝える、などで浸透をはかります。

そのほか、経営トップとしての年頭のあいさつ、メディアでのインタビュー掲載、近年においてはSNSでの発信も有効な手段となっています。

留意点としては、従業員エンゲージメントとの相関関係への尊重です。経営理念などの文言は時代を経てもそう変わらない普遍的に価値観です。

しかし経営トップとしての発信は、従業員エンゲージメントの影響を受けて時代の変化に対応していくべきです。

内容についても手段ついてもです。従業員がツイッターを積極的に活用しているのであれば、経営トップもそれを意識した運用方法をとるのは、まさに経営トップの発信と社員エンゲージメントの相関関係の見本とも言えます。

人事処遇、マネジメントサイクル

人と人は、相性があります。好き嫌いは自然の感情です。ビジネスや組織においては、感情に振り回されることは、不公平感による組織崩壊の原因になりかねません。

採用においては、好悪の感情をすべて否定する必要はありません。ただ優れた経営者や幹部であれば、人に対する受容性があるために、一風変わった人であっても、利点を見出し一緒にやっていく幅広い度量を持っています。

採用後においては、同僚や上司、部下はあわないからと言って排除するわけにはいきません。基準を設けて、公平なる人事処遇を心掛けることが社員エンゲージメントの原動力になります。

基準と公平性を担保するためには、幅広い視点で組織人材を見渡したうえで、面談や観察など被評価者の業務内容や姿勢、業績を深く知る必要があります。

業績評価においても、事業の特性と計画を踏まえなければなりません。このマネジメントの仕組みこそが、重要な社員エンゲージメントの要素です。

顧客や社会とのwin-winの関係

社員エンゲージメントの最後の要素が、顧客や社会との関係性です。社員個人の使命(生きる目的)と価値観に照らし合わせて、経営の目的が顧客、社会の貢献にあれば、社員は長期間にわたって、やりがいと生きがいをもって働くことができるはずです。

人はお金のためだけに働く動機があるわけではありません。顧客が喜ぶ顔を見たいという素直な気持ちは誰しもあるはずなのです。

まとめ

今回は、社員のエンゲージメントの切り口で、経営の在り方を見てきました。人口構造の先行きから多様性の受容が社会要請となっています。

現代社会において、会社や組織の在り方は変革の時期にあります。正社員である必要性が薄れ、ジョブ単位での働き方も広がりつつある中で、改めて組織としての社員エンゲージメントと向き合うべきではないでしょうか。

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